リムナンテスは愉快な気分

徒然なるままに、言語、数学、音楽、プログラミング、時々人生についての記事を書きます

絶対優位と比較優位

備忘録

冗長さは否めない、あと多分本質的ではない

 

本題は比較優位なのだが、絶対優位から入ったほうがわかりやすそう。

 

財1単位あたりの労働投入量を考える。

つまり、1単位の財を生産するのに労働力がどれだけ必要か。

 

  毛織物 ワイン
30 12
9 4

 

これだったら、例えば英国では毛織物1単位作るのに必要な労働力は30。

 

 

絶対優位

毛織物だけ、あるいはワインだけ、に注目したときに、

どちらの国がより効率的に財を生産できるかという指標。

労働投入量が小さいほうが、少ない労働力で1単位分の財を生産できる。

同じ品目に対して、数字が小さいほうの国が絶対優位

 

  毛織物 ワイン
30 12
9 4

 

毛織物:(英)30 9(葡)

ワイン:(英)12 > 4(葡)

 

毛織物もワインも葡国絶対優位

 

 

比較優位

絶対優位では、1品目だけに注目して、どちらの国が効率よく生産できるかを考えた。

今度は、ある品目と比べた時の生産効率を考えた時に、どちらが効率いいかを考える。

何を言っているかいまいちよく分からないかもしれないが、具体例で説明します。

 

雑な説明

 

  毛織物 ワイン
30 12
9 4

 

斜めがけして数値の大小を比較する。

 30×4 > 12×9

小さくなる方の組み合わせが、それぞれ比較優位となる組み合わせ。

つまり、ワインと比較したときの毛織物は葡国が比較優位。

毛織物と比較したときのワインは英国が比較優位。

 

 

もうちょいちゃんとした説明。

 

例えば、ワインに対する毛織物の比較優位。

 

  毛織物 ワイン
30 12
9 4

 

まずは英国に注目しよう。

比較優位を考えるときはワインに対する毛織物の作りやすさ(作りにくさ)みたいなものを考える。

つまり、とりあえず同じ国の中でワイン1単位作るのに必要な労働力と毛織物1単位作るのに必要な労働力を比べてみよう、ということ。すると、

30/12

みたいな指標で表せる。これは毛織物1単位作るには、ワイン1単位作るときの30/12倍の労働力が必要になる、ということ。

 

同じように葡国についても、ワインに対する毛織物の作りやすさを考えると、

9/4

つまり、毛織物1単位作るには、ワイン1単位作るときの9/4倍の労働力が必要、ということ。

この二つを比べると、

30/12 (= 10/4) > 9/4

ワイン1単位に割くべき労働力と比較して毛織物1単位に割くべき労働力が少なくて済むのは葡国、となる。

したがって、(ワインと比較したときの)毛織物の生産は英国に対して葡国のほうが比較優位

 

一方、毛織物に対するワインの生産について。毛織物のときと同じように考えればよい。

 

  毛織物 ワイン
30 12
9 4

 

ワインが分子、毛織物が分母。

12/30 (= 4/10) < 4/9

したがって、(毛織物と比較したときの)ワインの生産については葡国に対して英国比較優位

 

 

難しいこと書いたけど

斜めがけして小さくなるほうが比較優位の組み合わせ。