今日はマーシャル語の主格接辞と呼びかけについて。
主格接辞
原文(英語)ではsubject pronounと言っているので主格代名詞らしいですが、代名詞ではなくて用言の人称変化接頭辞だと思うんですよね。ミクロネシア諸語なので多分これとは別で独立主格代名詞ありますし。
英語話者向けに書かれている文法書で学んでいるので、回りくどい説明の再解釈で独自解釈が入っているかもしれないです。
というわけで、主格接辞です。
マーシャル語 | 日本語 | |
---|---|---|
1人称単数 | i | 私は〜する |
2人称単数 | kwō / ko | 貴方は〜する |
3人称単数 | e | 彼/彼女/それは〜する |
1人称複数(inclusive) | je | (貴方を含め)私たちは〜する |
1人称複数(exclusive) | kōm | (貴方を含めず)私たちは〜する |
2人称複数 | kom̧ | 貴方たちは〜する |
3人称複数 | re / rō | 彼ら/彼女ら/それらは〜する |
1人称複数はinclusiveとexclusiveの区別あり。
2人称単数、3人称複数が2つあるのは、後続の子音によって音韻変化するかららしいです。とりあえずは1個目(左)の形を使っておけばまあだいたい合ってるらしい。
全ての形容詞(型の用言)の頭に接辞をつけて文を作ることができます(と文法書に書かれていますが一般の動詞は?)。
maro「喉が乾いている」を使ってみると、
- imaro 「私は喉が乾いている」
- kwōmaro 「貴方は喉が乾いている」
- emaro 「彼/彼女/それは喉が乾いている」
- jemaro 「(貴方含め)私たちは喉が乾いている」
- kōm maro 「(貴方含まず)私たちは喉が乾いている」
- kom̧ maro 「貴方たちは喉が乾いている」
- remaro 「彼ら/彼女ら/それらは喉が乾いている」
pro-dropで動詞が人称変化しているという認識でとりあえずは行こうかなと思います。
なんでkōmとkom̧の時に分かち書きをするのかは不明。
主語(例えば固有名詞)を置く場合は形容詞の前でも後でもどちらでも良いらしい。数は主語と合わせる。
- Nick emaro 「Nickは喉が乾いている」
- Emaro Nick 「Nickは喉が乾いている」
- Brad im Kenzie remaro 「BradとKenzieは喉が乾いている」
A im Bは「AとB」。
主語を形容詞のどちら側に置くかで強調度合いが変わるような気がするのですが、とりあえずわからないので保留。
次に挙げる形容詞については同様の使い方ができるようです。
マーシャル語 | 日本語 |
---|---|
kwōle | お腹が空いている |
maro | 喉が乾いている |
nan̄inmej | だるい |
m̧ōņōņō | 幸せだ |
būrom̧ōj | 悲しい |
illu | 腹が立っている |
mejki | 眠い |
m̧ōk | 退屈だ |
mijak | 怖い |
呼びかけ
誰かを呼びたい時の掛け声として"e"と"a"が使えます。これらは名前の後につけます。単体でも使えないのかな。
- Joe e! / Joe a!
遠いところの人を呼ぶ時は、代わりに"o"を使います。
- Patrick o!
返答するときは、"e!"なら"e!"を返す。"o!"なら"o!"を返す。e, aが「ねえ」とか「おい」とか「なあ」でoが「おーい」くらいの感覚だろうか。