リムナンテスは愉快な気分

徒然なるままに、言語、数学、音楽、プログラミング、時々人生についての記事を書きます

結局のところプライベートを充足させれば社畜を回避できるのではないだろうか

表題の通り。つれづれなるままに書き散らします。



1日の定時労働時間は8時間…と見せかけて拘束時間が9時間。通勤時間が前後にあるので少なくとも1日あたり11時間を資本家に差し出すことでお賃金をもらうのが現代の奴隷労働者。残業がある場合は捧げる時間がさらに増えるわけですが。



もともと8時間労働というのは産業革命時代の産物である。当時の労働者は時間の限り働かされていたが、「8時間労働し、8時間睡眠、8時間プライベート」の元で労働時間のupperが8時間となった。

なんかそうやって聞くとプライベートが8時間もあるじゃんと思いつつも、でも実感として8時間もプライベートない。あるいは8時間も寝てる時間がないというのが率直な感想だと思う。通勤時間や昼休憩でプライベートまたは睡眠時間が削られていくのでそれはそうなのだけれども。



人間に与えられた1日は平等に24時間。平日とかに仕事だけをしているとどうなるかというと、人生が仕事一色になるという悲劇が発生します。ワーカーホリックになりたくない労働者階級が目指すべきは、「仕事」量と「遊び」量の体感時間を(自分が満足する状態に)調整することではないか。「仕事は適当に。遊びは真剣に。」ではないが、プライベートの可処分時間を増やして密度を上げるが、自分の思う今のところの最適解になりそうです。

そのためには、拘束時間外で極力仕事をしないようにうまくやりくりする必要がある。楽に早く60点くらいの利益を出す。多分そうすると結果的にメリハリがついて労働者としての能力も向上するのではないだろうか。これは「社会人たるもの〜」みたいな道徳ではなく、プライベートを人生の主体にするための方策である。つまり、物理的にも精神的にもプライベートを増やすのが目的であって、仕事で能力が身につくのは(我々からしたら)結果でしかない。(職務遂行能力を上げることが目的になっている言説は、労働者を使役する立場や資本家の都合がいいように言っているにすぎない。多分純粋に職務遂行能力を上げるだけだと、資本主義の奴隷になるだけ。まあ得られる結果は一緒なんですが。)

それから、「楽に働こうと思ってはいけない」みたいなことを言ってしまう奴隷の言葉には絶対に耳を貸してはいけない。むしろ楽に稼ぐための方法を常に考えるべきである。楽に働くなんて甘えだと言う人は、時間かけて苦労すれば金がもらえるという思想に甘えている。唯一楽してはいけないのは、「どうすれば楽に金を稼げるかを考える」こと。時間的にも労力的にも。あれもこれも全てはプライベートの時間を増やすためである。



仕事が楽しい人は仕事してください。自分のやりたいことが仕事になっている人も仕事してください。よく自分のやりたいことを仕事にするべき的な論調を見かけますが、やりたいことで、できることで、喜ばれることであるなんていう運のいいことはそうそうないですよ。そんな都合よく需要があるわけないじゃないですか。というわけで、自己実現はプライベートでやるという生き方に割り切ってしまってもいいんじゃあないでしょうか。仕事の成果とか成長とか富とか名誉とかが大事なのではなく、今日食べる飯とかコーヒー飲みながら本読む時間とか何となく数学する時間とか麻雀する時間を大事にする生き方、よいではないか。人類は全て墓場がゴールなんだよ。荼毘に付されたら無ですよ。この世なんて何の意味もないね。

あと個人的には、趣味を仕事にすると趣味が趣味でなくなるのが何となく嫌だなというのもある。極力趣味でやってることが仕事にも役立てるように近づけた方が効率良さそうだとは思いますけどね。



…といって開き直りすぎて仕事さぼりすぎると別の意味で奴隷になるので、

プライベートを本気で充実させる→そのために時間増やしたいから適当に仕事で成果を出すことに本気になる→そのためには拘束時間内で終わらせる精神力が必要→精神力を保つためには体力が必要→運動

という思考に持っていくのが社畜回避の方策になりうるのではないだろうか。
というわけで運動すれば万事解決。

直積と直和【環上の加群 4】

イスクイル飽きたので数学。

一次独立やらなんやらの前提。
加群加群を合成して大きい加群をつくったり、複雑な加群を小さい加群の直積や直和の形に分解する。

直積


def 4.1R可換環。2つのR-加群M_1,M_2に対して直積集合M_1\times M_2上に和とスカラー倍を(a\in Rとして)それぞれ

(x_1,x_2)+(y_1,y_2)=(x_1+y_1,x_2+y_2)
a(x_1,x_2)=(ax_1,ax_2)

と定義するとM_1\times M_2R-加群となる。これをM_1M_2の直積という。

ベクトルの和とスカラー倍と同じ。

例えば加法剰余群\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}, \mathbb{Z}/3\mathbb{Z}\mathbb{Z}-加群ですが、これらの直積\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}\times\mathbb{Z}/3\mathbb{Z}を考えます。例えば0,1\in\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}, 1,2\in和は

(0,2)+(1,1)=(0+1,2+1)=(1,0)

スカラー倍は
4\cdot(1,2)=(4\cdot 1,4\cdot 2)=(0,2)

となります。\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}\times\mathbb{Z}/3\mathbb{Z}\mathbb{Z}-加群です。

和:

f:id:frecafloros:20210306212409p:plain

スカラー倍:

f:id:frecafloros:20210306212424p:plain


実は有限個の加群の直積と直和は一致するのでM_1\times M_2=M_1\oplus M_2*1。ですが、無限個の加群の場合、直積と直和は等しくない別概念になります*2。無限個の場合を考慮した一般の場合はdef 4.2のようになります。


def 4.2R可換環R-加群の族\{M_\lambda\}_{\lambda\in\Lambda}に対して、直積集合\prod_{\lambda\in\Lambda}M_\lambdaを考える。和とスカラー倍を(a\in Rとして)それぞれ

(x_\lambda)+(y_\lambda)=(x_\lambda+y_\lambda)
a(x_\lambda)=(ax_\lambda)

と定義すると\prod_{\lambda\in\Lambda}M_\lambdaR-加群となる。これを\{M_\lambda\}_{\lambda\in\Lambda}の直積という。

(x_\lambda)」は「(x_1,x_2,\cdots)\in\prod_{\lambda\in\Lambda}M_\lambda, x_1\in M_1, x_2\in M_2,\cdots」くらいの感覚。

外部直和

直和の定義。
直和には2種類あり、めんどくさいことに外部直和内部直和がある。
「有限個の加群の直積と直和が一致する」というやつの直和は「外部直和」のこと。だと思う。というわけで外部直和の定義です。


def 4.3R-加群の族\{M_\lambda\}_{\lambda\in\Lambda}の直積\prod_{\lambda\in\Lambda}M_\lambdaの部分加法群として、
\begin{align}\bigoplus_{\lambda\in\Lambda}M_\lambda=\left\{(x_\lambda)\in\prod_{\lambda\in\Lambda}M_\lambda\middle| 有限個の\lambda を除いて x_\lambda=0\right\}\end{align}
R-加群となる。これを\{M_\lambda\}_{\lambda\in\Lambda}の(外部)直和という。

前述の通り|\Lambda|<\inftyのとき\bigoplus_{\lambda\in\Lambda}M_\lambda=\prod_{\lambda\in\Lambda}M_\lambda。「有限個の\lambdaを除いて」ということは選ぶ\lambdaは「0個」でもよいということで、有限個の加群の場合は直積と一致します。

なんでこんなめんどくさい定義の仕方をしているのかというと、普遍性がどうのこうのという話になってめんどくさいのでとりあえずスルーします。

また後述の内部直和と区別するために、こちらの外部直和を「\dot{\oplus}」(上ドット付き)などで表記する場合があります。

内部直和

内部直和の定義。
初歩的な環上の加群論では直和といえば殆ど内部直和のことらしい。

さて、なんか適当な加群Mの部分加群N_1,N_2\in Mに対して、これらの和は

N_1+N_2 = \{x_1+x_2\mid x_1\in N_1, x_2\in N_2\}

でした。このときy\in N_1+N_2y=y_1+y_2の形に一意に表される時、N_1+N_2は直和である、つまりN_1+N_2=N_1\oplus N_2と定義します。


def 4.4加群Mに対して、部分加群N_1,N_2\subset Mを考える。
y\in N_1+N_2y_1\in N_1, y_2\in N_2に対してy_1+y_2と一意に書けるとき、
N_1+N_2 = N_1 \oplus N_2


一般に、有限個の部分加群M_i\in M, (i=1,\cdots,n)の内部直和は次のように定義されます。


def 4.5MR-加群\{M_i\}_{i=1,\cdots,n}Mの部分加群の族とする。このとき、
\begin{align}\sum_{i=1}^n M_i:=\{x_1+\cdots+x_n \mid x_1\in M_1\cdots,x_n\in M_n\}\end{align}
Mの部分加群となる。もし、\sum_{i=1}^n M_iの任意の元x
x=x_1+\cdots+x_n
の形で表される時、\sum_{i=1}^n M_iは直和であるといい、
\begin{align}\sum_{i=1}^n M_i=\bigoplus_{i=1}^n M_i\end{align}
と表記する。

ある加群の部分加群で構成する(加群の「内部」で構成する)ので内部直和と呼ばれます。多分。
以降、外部直和を\dot{\oplus}、内部直和を\oplus、和を+で表記します。

このとき次の定理が成り立ちます。


prop 4.6加群Mの部分加群N_1,N_2\in Mに対して、N_1+N_2=N_1\oplus N_2のとき、
N_1\dot{\oplus} N_2\to N_1+N_2; (x_1,x_2)\mapsto x_1+x_2
全単射準同型。


prop 4.7加群Mに対して、部分加群N_1,N_2\subset Mを考える。このとき
N_1\oplus N_2 \Leftrightarrow N_1\cap N_2 = \{0\}


一般に、有限個の部分加群について次の4つは同値になります。


prop 4.8MR-加群\{M_i\}_{i=1,\cdots,n}Mの部分加群の族とする。

  1. 写像
    \begin{align}\dot{\bigoplus}_{i=1}^n M_i\to \sum_{i=1}^n M_i\end{align}
    (x_1,\cdots x_n)\mapsto x_1+\cdots+x_n
    全単射準同型。
  2. \sum_{i=1}^n M_iの任意の元xx_i\in M_iとしてx=x_1+\cdots+x_nの形に一意に表せる。
  3. x_1+\cdots+x_n=0\Rightarrow x_1=\cdots=x_n=0
  4. (M_1+\cdots+M_i)\cap M_{i+1} = \{0\}\,(i=1,\cdots,n-1)



↑初:加群の定義【環上の加群 1】 - リムナンテスは愉快な気分
←前:準同型定理(第一同型定理)【環上の加群 3】 - リムナンテスは愉快な気分
→次:自由加群【環上の加群 5】 - リムナンテスは愉快な気分

*1:むしろ上の定義を直和と呼んでしまう場合が多いようにも感じる

*2:圏論的には積と余積なので別概念かと言われると違うと思いますが

USB買って40分で「読み取り専用」になりやがったので対処

ブチギレそう
写真数十枚コピーしただけで壊れるのクソでは?殆ど使ってないんだが?

現状整理

終わったメモリ

GREEN HOUSE製64GB USBメモリ (FAT32で自動的にフォーマットされたもの)

状況

写真を何枚かMac HDD→USBメモリにコピー中に突然「読み取り専用」になった

症状

  • 読み取り専用に固定されてファイルの書き込み不可・削除も不可
  • 読み取り専用モード解除不可
  • フォーマット不可
  • 読み取り可能なのでUSB→HDDへのコピーは可能、移動は不可


64GBのメモリをFAT32でやったのがいけなかったんですかね?
返品しようにも微妙にコピー成功してる写真達が消せないので困る。データ見られたくないんですよねぇ…
とりあえずフォーマットさえ掛けられればOKなんだ…

結論

データ削除を諦めて現物交換しました。

対処

対策1 Macのディスクユーティリティで「復元」【失敗】

エラー吐いて失敗

対策2 Windows10のプロパティで読み取り専用のチェックを外す【失敗】

エラー吐いて失敗

対策3 Ubuntu 16.04のGpartedで強引にフォーマット掛ける【失敗】

既存のパーティションを削除して新しくパーティションを作るように命令。

カーネルに変更を伝えることができませんでした。おそらく、使用中だったのが原因だと思われます。そのため、古いパーティション情報がそのまま使われます。さらなる変更をする前に再起動してください。」と怒られて失敗。

対策4 Macのディスクユーティリティで「First Aid」を試す【失敗】

「終了コードは8」を吐く。いろいろ調べたら諸々の対策が出て来たので少しだけ光が見えるか?

対策5 fsck_〇〇コマンド【失敗】

ここからターミナルを叩き始める。

mice-cinemanami.hatenablog.com
komputilo.blogspot.com

上の資料によるとsudo fsck_〇〇 -fy /dev/disk〇s〇で修復できるらしい。

fsck_〇〇の〇〇の部分はsudo fstyp /dev/disk〇s〇で調べたやつを入れる。
手元のmacだと、fsck_csfsck_hfsfsck_udffsck_apfsfsck_exfatfsck_msdosが存在したので、この中のどれかだと思います。

disk〇s〇の〇s〇の部分はそのデバイス固有の数値?で、「デバイスユーティリティ」で見るかdiskutil listで確認。


…いや結局First Aidと一緒かい。同じエラーが出た。次。

何すればいいんだこれ

discussions.apple.com

ただこれによると、書き込みエラーになった時に書き込みロックされる機構が働いたらしいことはわかった。ディスクフォーマット受け付けないときはそうらしい。

本当は外部スイッチがあれば物理的にロック解除できるんだとは思うが、ないのでどうにかしてソフト的に読み取り専用を解除するしかない。

対策6 レジストリキーの修正【失敗】

(多分)Windows10のCPUのレジストリキーを直接操作して書き込みできるようにしようという作戦。

https://aprico-media.com/posts/4448

「コンピューター¥HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControlSet¥Control¥StorageDevicePolicies」にある「writeprotect」の値が「1」だと書き込み禁止になるので、「0」に修正することで書き込みできるようになる模様。

結果

「StorageDevicePolicies」がありませんでした。
というか原因はPCじゃなくてどう考えてもUSBなのでそれはそう。

「StorageDevicePolicies」がないということは、書き込み禁止の理由がレジストリのフラグではない、ということらしい。

対策7 diskpartでアクセス権限を操作【失敗】

再びhttps://aprico-media.com/posts/4448を参考に。

Windows10でなんとかしてdiskpartを実行。
コマンドプロンプトっぽいのが出てくるのでdisk listを叩いてUSBメモリのディスク番号を確認。
select disk 〇(〇はさっき確認したディスクの番号)でドライブの選択を変更。
attrib disk clear readonlyで書き込み禁止を解除できる。
無事に「ディスクの属性が正しく消去されました。」の表示。



…で書き込み禁止解除できたらとっくにできてるんですよね。意味なかった。失敗。

ただ、不可解なことが一つ。
attributes diskでディスク(USBメモリ)の状態を確認することができるのですが、なぜか「現在の読み取り専用状態」が「はい」で「読み取り専用」が「いいえ」になってた。どういうこと?

相変わらず書き込みと削除はできず。


detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
これによると完全にUSBメモリの不具合で無理らしい。むむむ。

対策8 サードパーティのソフトを使う【失敗】

ubuntuのGpartedで受け付けないものが他のソフトで受け付けるわけがないと思うのですが。


無理でした。

結局

ヨ○バシに持って行きましたが、ヨ○バシ店員もお手上げ。
ここまでやって無理ならもう無理なので諦めましょう。

こんなハズレもう一生引かないでくれ…

イスクイル4 (v.0.18.5) 文法概論

かんたんイスクイル(簡単とは言ってない)

もう各Slotごとに詳述するのがめんどくさくなりました。

はじめに(お気持ち)

イスクイル学習、日本語母語話者にとってかなりやりやすいのではないかと思っている。

注意

毎度のことですが、ちゃんと勉強するなら須らく原典を読むべし。
http://www.ithkuil.net/morpho-phonology_v_0_18_5.pdf

この記事は単なる筆者のメモです。
書き終わってからいろいろ足したくなったので気が向いた時に加筆します。

品詞

大きく分けて3つ、formatives(形成詞)とadjuncts(付属詞)とreferentials(参照詞)。
自然言語との対応関係は以下の通り。

  • formatives(形成詞):名詞+動詞+分詞
  • adjuncts(付属詞):副詞
  • referentials(参照詞):代名詞

語順

基本は1番目のformativeが動詞。ただし題目を動詞の前に持ってくることが可能。
特にイスクイル4の場合はアクセント位置で動詞か名詞か分詞か判断できるので3の時よりわかりやすくなった。

動詞以外の語順?イスクイルでは豊富な格変化()で名詞どうしの関係性を理解できるから何でもOK。日本語もそうだよね、わかるね。

formatives(形成詞)の音韻形態論

全部で10スロット(5個も減ったから簡単)。

I: Cc(形容詞かどうか的なやつ)+II: Vv(語義派生)+III: Cr(語根)+IV: Vr(語義派生)+V: CsVx(接辞)+VI: Ca(語義派生)+VII: VxCs(接辞)+VIII: VnCn(法/格スコープ)+IX: Vc/Vf/Vk(格/形式?/法っぽいやつ)+X: [stress](slot IXの意味を定める)

「スロット」なる謎単語が急に出てくるからわかりづらいだけで、本質はセム語の語根子音に母音突っ込んだり接頭辞/接尾辞つけて派生語作ったりするそれ。k1t2b3の1とか2とか3みたいなやつがSlot。ただしイスクイルは省エネなので12k456789みたいな逝かれた構成になっているだけ。「だけ」ではない。やはり逝かれている。

なお、Ccなどは1〜5個の子音連続で構成され、Vvなどは(多分)1〜3個の母音で構成されます。

語根周りの話(辞書定義されている範疇)

各語根に対してstem(語幹、Slot II)、specification(仕様、Slot IV)による単語の派生的意味は辞書的に定義されている。なのでその通りに活用すればいい。

例えば辞書の2.1.4を見るといろいろごちゃごちゃ書いてあります。が、とりあえず-LČŘ-「便所」という語根は-LCW-「建築設備」という語根と同様の活用をするということがわかります。

ここのstem 1-bscのところを見てみると、
「連続的な機械的、電気的、配管的又は生活的な状態を維持し、提供するために、建築物に組み込まれた恒久的な固定具として機能している状態/行為/状態プロセス; そのような器具」みたいなことが書かれています。
ということは、-LČŘ-をstem 1-bscで活用させると「便所」という単語が作れるということ。
つまり「便所」を表す語幹は-alčřa-(最初のaは飛ぶことが結構多い)。

つまらないので別の例も見てみます。stem 2-csvのところでは「設備を利用する人間の行為」みたいなことが書かれています。ということは、-LČŘ-をstem 2-csvで活用させると「うんこする行為」とか「おしっこする行為」とか「排泄行為」という単語が作れる。表の通りに活用すると-elčře-。たまたま母音が被ってしまいましたが、1個目の母音と2個目の母音は一般に異なる音価になります。

辞書定義されていない語根周りの話

version(転換、SlotII)、function(機能、Slot IV)、context(文脈、Slot IV)の3つに関しては特に辞書で意味が規定されているわけではない。が、Slot IIとIVで活用する。

  • version(転換):非完結的(processual)か完結的(completive)か、というのに近い?
  • function(機能):状態/静態(stative)か動作/動態(dynamic)か
  • context(文脈):(イスクイル3と等価なのかわからない)


functionでは状態と動作を区別します。-stem2-LČŘ-csv-「うんこする」で言うと、stative function "-elčře-"は「うんこしている(状態に着目)」、dynamic function "-elčřo-"は「うんこをする(行為に着目)」。

versionに関して。processualは特に目的を達成する意図がない行為。一方でcompletiveは目的完遂に焦点があります。とりあえず「うんこしに行った」のがprocessual、「うんこしに行って結果うんこ出しきった」のがcompletive。

contextは保留。

Ca

configuration+extension+affiliation+perspective+essenceという観点から語義を派生させることができる。というか、それぞれ異なる語彙が生える。

要するに、うんこという行為が複数回行われているとか、うんこ行為が現在から切り離されてるとか、一般的うんこ行為とか、イマジナリー排便とか。

concatenation(連結)

Slot Iをもりもり活用することで形容詞っぽくなるかそうじゃないかが示せる。
タイプ1とタイプ2の2種類(と「連結しない」)がある。
タイプ1はいわゆる形容詞。タイプ2は合成語として新しい概念を形成する。「北極のクマ」(タイプ1)と「北極グマ」(タイプ2)のように、前者は単に「北極にいるクマ」ということしか言わないが、後者は「北極グマ」という新たな概念に言及している。

Slot IX周りの話

Slot IXがVc(名詞の格)かVk(動詞のいろいろ)かどっちになるかはSlot Xに従う。
つまり、stressが後ろから2番目の音節ならVc、最終音節ならVk。後ろから3番目の音節ならVc(分詞?正確に言うとframed relationのcase)。concated formativeの時はVf。

Vc(格)

格は今回68個に減ったのですごく簡単になった(当社比)。

Vk(動詞に関する嬉しい情報たち)

なんかいろいろある。

adjuncts(付属詞)の音韻形態論

なんか知らんがめっちゃ増えた。滅茶苦茶になってるのでちょっとわからない。いやなんでお前ら分裂した?イスクイル3ではひとまとまりだったよね?

  • single-affix adjunct:わからん
  • multiple-affix adjunct:知らん
  • modular adjunct:誰お前
  • register adjunct:なんだお前
  • carrier adjunct(借用):(イスクイルから見た)借用語を使う時に
  • quotative adjucnt(引用):直接話法的に文章を引っ張ってきたい時に
  • naming adjunct(名称):固有名詞を呼称する際に?
  • phrasal adjunct:謎

referentials(参照詞)の音韻形態論

イスクイル3では代名詞的なやつがadjunctsの範疇にありましたが、イスクイル4では独立。おめでとう。

わからん。

イスクイル 3の格変化を紹介する動画を投稿しました。


表題の通り。
(2021-02-18 追記:要望があったのでpdf版をアップロードしました)
github.com


イスクイル 3(イスクイル 4ではない!)には格が96個ありまして、当然のことながらイスクイル単語は96通りの格変化をします。
というのをイスクイル文字、ラテン文字表記、和訳を添えて全部紹介する、という動画です。

(白の直線の太さなんにも考えてなかったもんで画質上げると環境によっては消滅するんですよねぇ…)


私はイスクイルに関する日本語資料が少なすぎて悲しいです。そもそもイスクイルできる人が少ないわけですが。
そんなわけで、少しでも多くこの世に日本語資料をぶん投げてやろうと、そういう取り組みの一環です。このブログもそうですが。

急に動画を製作した建前上の理由は、なんやかんやで文章より動画の方が見る側は楽なのかな、ということ。
人、基本的に文章が読めないので、だったら動画にしちまえと。そろそろ5Gになろうという現代においてより情報量の多い媒体を使った方が受け手のコストが減るんですよ。イスクイルに関する日本語の動画は多分これが初めてでしょうし。

本当の理由は、ある日「ウ”ィ”エ”」という曲を(不幸にも)聞いてしまったために、「この曲でイスクイル動画を作れ」という天からのお告げが降ってきてしまったからです。


動画にも書きましたが、格の名称、訳文は例であって真実を反映しているとは限りません。(大した動画ではないので、指摘があればやる気出たときに修正しますが)誤訳が結構ありそうでちょっとあれなんですよね。
そもそもイスクイルそこそこできる日本人が(知る限り)一人、イスクイルチョットデキルな人が一桁〜良くて10人余りな状況で妙訳が定着しているわけもなく。正直、動画製作の大半をデータベース作成に費やしたと思う。conversive case(42格)とかは滅茶苦茶悩んで中国語から引っ張ってきたり。あ〜和訳も41格と42格の訳し分けが微妙な感じではあるし…


……やっぱりそうですね。お告げが降ってきたのが2月4日。2月5日〜2月11日。discordサーバーの皆様を混乱と期待の渦に巻き込みながらイスクイル文字入力キーボードを探して導入してパワーポイントで使えなくて絶望したのが多分2月11日〜2月13日。pythonでpptx操作するのを覚えて流し込んだのが2月13日〜2月14日。実質的な動画作成が2月14日深夜。

そのうちデータをどこか公共の場所にまとめてあげておきましょうかね。


イスクイル 4やりてえな

準同型定理(第一同型定理)【環上の加群 3】

加群にも群、環、体と同様に準同型、準同型定理があります。なので以降の議論は加群のみならず群や環と同等かと思われます。
群や環のときにも準同型については学んだと思いますが、改めて加群verの準同型定理(の復習)を見ていきましょう。

準同型

そもそもなんで準同型を考えるのかといえば、よくわからん加群の構造は直接調べなくとも、その加群と同型(全単射準同型)な加群を調べればわかるからなんですねぇ。


2つの加群を比較するとなったときどうするかというと、まあ写像で考えることになると思います。加群M_1から加群M_2への写像\varphi :M_1\to M_2とすると、M_1写像\varphiによる像{\rm Im}\varphi\subset M_2写像されます。

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写像を噛ませたとしても加群としてだいたい「同じ」になってくれると嬉しいわけです。この、「ある程度の演算構造を保ってくれる写像」のことを準同型といいます。正確にはdef 3.1のように定義されます。


def 3.1R-加群M_1,M_2に対し、写像\varphi :M_1\to M_2が次の2つの条件
 (1) \varphi(x+y)=\varphi(x)+\varphi(y) (x,y\in M_1)
 (2) \varphi(ax)=a\varphi(x)     (x\in M_1, a\in R)
を満たすとき、\varphiR-準同型(写像)であるという。

(1)の左辺の+はM_1の、右辺のはM_2の加法です。
準同型で写した先もちゃんと加群になっていてほしいのですが、def 3.1のように定義すると\varphiで送った先の集合もうまいこと加群になってくれます。ただの群とは違い、スカラー乗法でも演算が閉じていないといけないので(2)の条件が必要です。

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prop 2.2より、{\rm Im}\varphiM_2の部分加群になる条件は、(1) {\rm Im}\varphiの元同士を足しても{\rm Im}\varphiの元、(2) {\rm Im}\varphiの元のスカラー倍も{\rm Im}\varphiの元です。
def 3.1のように準同型を定義すると、\varphi(x+y)\varphi(ax){\rm Im}\varphiの元であることから、
 (1) \varphi(x),\varphi(y)\in{\rm Im}\varphiに対して\varphi(x)+\varphi(y)=\varphi(x+y)\in{\rm Im}\varphi
 (2) a\in Rに対してスカラー倍はa\varphi(x)=\varphi(ax)\in{\rm Im}\varphi
以上から{\rm Im}\varphiM_2の部分加群です。つまり、準同型は和とスカラー倍を保つ写像になっているということです。


準同型が全単射のときはM_1の元とM_2の元が一対一対応するので{\rm Im}\varphi=M_2となります。このとき、\varphi同型であり、M_1M_2同型であるといいます。


def 3.2M_1,M_2R-加群とする。
\varphi全単射準同型(\varphi ':M_2\to M_1も準同型)のとき、\varphiR-同型といい、\varphi :M_1\xrightarrow{\cong}M_2のように書く。
また、R-同型\varphi :M_1\xrightarrow{\cong}M_2が存在するときM_1M_2は同型であるといい、M_1\cong M_2と書く。


Rが体KのときK-加群は体K上のベクトル空間となりますが、同じようにK-準同型写像のはK-線形写像になります。


def 3.3Rが体Kのとき、K-準同型写像のことをK-線形写像ともいう。


準同型定理(第一同型定理)

準同型定理と第一同型定理は別物っぽいですが、第一同型定理のことを準同型定理と言っている参考書が結構多いです。
が、ここでは以降準同型定理改め第一同型定理で統一します。


同型であるような加群を作りたいわけですが、各元が一対一対応(全単射)かつ準同型なものを作りたい。\varphi :M_1\to M_2を準同型としたとき、\varphi単射でない限り{\rm Im}\varphiM_1より小さい(M_1より{\rm Im}\varphiの方が元の数が少ない)です。なので、{\rm Im}\varphiと同じ大きさになるようなM_1の部分加群を探す必要があります。

核・像・余核・余像

準備として、核(kernel)、像(image)、余核(cokernel)、余像(coimage)を改めて定義します(像は今まで平然と使っていましたが)。


def 3.4R-加群M_1,M_2に対してR-準同型が\varphi :M_1\to M_2のように定義されるとき、
 (1) \varphiの核 {\rm Ker}\varphi=\{x\in M_1\mid\varphi(x)=0\}
 (2) \varphiの像 {\rm Im}\varphi=\{\varphi(x)\mid x\in M_1\}
 (3) \varphiの余核 {\rm Coker}\varphi=M_2/{\rm Im}\varphi
 (4) \varphiの余像 {\rm Coim}\varphi=M_1/{\rm Ker}\varphi

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ちなみに核{\rm Ker}\varphiM_1R-部分加群、像{\rm Im}\varphiM_2R-部分加群です。
スカラー倍に関して、x\in{\rm Ker}\varphiのときは\varphi(ax)=a\varphi(x)=a0=0よりax\in{\rm Ker}\varphiですし、\varphi(x)\in{\rm Im}\varphiのときa\varphi(x)=\varphi(ax)\in{\rm Im}\varphiなので、それぞれ{\rm Ker}\varphi{\rm Im}\varphiが部分加群であることがわかります。

{\rm Coker}\varphi{\rm Coim}\varphiはあまり使われず、大体の参考書などでそれぞれM_2/{\rm Im}\varphi, M_1/{\rm Ker}\varphiで表記されていると思います。第一同型定理では核{\rm Ker}\varphiが登場します。

第一同型定理

第一同型定理、教科書やその他文書によっては準同型定理と書かれているかもしれないやつです(本来の準同型定理は第一同型定理よりも一般的な主張)。

加群M_1からM_2への準同型\varphiがあるとき、M_1を核{\rm Ker}\varphiで割った剰余加群M_1/{\rm Ker}\varphiは像{\rm Im}\varphi\subset M_2と同型となります。


prop 3.5 (第一同型定理)M_1,M_2R-加群\varphi :M_1\to M_2を準同型とする。
この時M_1の剰余加群M_1/{\rm Ker}\varphiから\varphiの像{\rm Im}\varphiへの全単射準同型が存在する。
つまり次のようなR-同型\overline{\varphi}が存在する:

\overline{\varphi}:M_1/{\rm Ker}\varphi\xrightarrow{\cong}{\rm Im}\varphi(\subset M_2); x+{\rm Ker}\varphi\mapsto\varphi(x)

\Leftrightarrow M_1/{\rm Ker}\varphiM_1の部分加群{\rm Im}\varphiM_2の部分加群M_1/{\rm Ker}\varphi\cong{\rm Im}\varphi

prop 3.6は第一同型定理です。

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第一同型定理、理解するまでは訳がわからないのですが、理解してしまえば自明としか思えなくなります(なりました)。


一般の準同型は(定義から){\rm Im}\varphiに対して全射ですが単射とは限らないので、下図のように\varphi(x)に飛ぶM_1の元は複数あると考えられます。

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上の画像ではM_1の複数の元がM_2の元と対応しています。
さて、ここから頑張ってM_1を加工し同型(全単射準同型)を作ります。

とりあえず{\rm Im}\varphiへの全射ではあるので、単射にします。どうするかというと、「M_1の部分集合から{\rm Im}\varphiの元への写像」を作ります。こうすることで全単射が実現します。

で、\varphi(x)\in{\rm Im}\varphiへ飛ぶ元の集合を作りたいのですが、例えば

x+{\rm Ker}\varphi=\{x+k\mid k\in{\rm Ker}\varphi\}

がそれにあたります。つまり、準同型\varphiによって0\in M_2に飛ぶような元とxの和の集合を作ります。

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{\rm Ker}\varphiがやっていることは、「同じ{\rm Im}\varphiの元に飛ぶM_1の元のグルーピング」。
そして、{\rm Ker}\varphiが部分加群なのでM_1/{\rm Ker}\varphiが剰余加群x_i\in M_1とするとx_i+{\rm Ker}\varphiM_1/{\rm Ker}\varphiの元です。剰余というものがうまいこと全単射準同型を導くような性質を持っています。あと\pi :M_1\to M_1/{\rm Ker}\varphi全射

k{\rm Ker}\varphiの元とすれば\varphi(k)=0なので、\varphi(x+k)=\varphi(x)+\varphi(k)=\varphi(x)+0=\varphi(x)
そして写像

\overline{\varphi}:M_1/{\rm Ker}\varphi\to{\rm Im}\varphi; x+{\rm Ker}\varphi\mapsto\varphi(x)

R-同型(R-全単射準同型)。

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一応\overline{\varphi}R-同型であることを確認します。先の話から全単射ではあるので、和とスカラー倍に関してdef 3.1

\overline{\varphi}(\left(x+{\rm Ker}\varphi\right)+\left(y+{\rm Ker}\varphi\right))=\overline{\varphi}(x+{\rm Ker}\varphi)+\overline{\varphi}(y+{\rm Ker}\varphi)

\overline{\varphi}(a(x+{\rm Ker}\varphi))=a\overline{\varphi}(x+{\rm Ker}\varphi)

が成り立っていることを確認。


proof 3.5・和
\begin{align}\overline{\varphi}(\left(x+{\rm Ker}\varphi\right)+\left(y+{\rm Ker}\varphi\right))&=\overline{\varphi}(\left(x+y\right)+{\rm Ker}\varphi)\\&=\varphi(x+y)\\&=\varphi(x)+\varphi(y)\\&=\overline{\varphi}(x+{\rm Ker}\varphi)+\overline{\varphi}(y+{\rm Ker}\varphi)\end{align}



スカラー
\begin{align}\overline{\varphi}(a(x+{\rm Ker}\varphi))&=\overline{\varphi}(ax+{\rm Ker}\varphi)\\&=\varphi(ax)\\&=a\varphi(x)\\&=a\overline{\varphi}(x+{\rm Ker}\varphi)\end{align}


というわけで次の定理もなりたちます。


prop 3.6{\rm Ker}\varphi=\{0\}\Leftrightarrow\varphi単射

準同型全体の集合


prop 3.7M_1,M_2R-加群{\rm Hom}_R(M_1,M_2)M_1からM_2へのR-準同型の全体とする。
\varphi,\psi\in{\rm Hom}_R(M_1,M_2)a\in Rに対して和とスカラー積を
\begin{align}(\varphi+\psi)(x)&=\varphi(x)+\psi(x) \\ (a\varphi)(x)&=a\varphi(x)\end{align}

と定義すると、{\rm Hom}_R(M_1,M_2)R-加群

いつか意味がわかるかもしれない。


proof 3.7(1) 環の乗法とスカラー乗法
\left(\left(ab\right)f\right)(x)=ab\left(f(x)\right)=a(bf)(x)=\left(a(bf)\right)(x)

(2) スカラー乗法の分配律
\left(a\left(f+g\right)\right)(x)=a\left(\left(f+g\right)(x)\right)=a\left(f(x)+g(x)\right)=af(x)+ag(x)=(af)(x)+(ag)(x)
\left((a+b)f\right)(x)=(a+b)f(x)=af(x)+bf(x)=(af)(x)+(bf)(x)

(3) スカラー乗法の単位元
(1f)(x)=1f(x)=f(x)


↑初:加群の定義【環上の加群 1】 - リムナンテスは愉快な気分
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→次:https://limnanthaceae.hatenablog.com/entry/2021/03/08/003000

マーシャル語学習記 vol.8 - 時制2(未来形、近接未来形)

多分今年最後の更新になります。

時制続きです。vol.7では現在形(j)と過去形(ar / kar)について触れました。vol.8では未来形(naaj)と近接未来(itōn)についてです。

未来形

未来形は-naaj-ですが、いろいろな発音のされ方があるらしく-nāj-になったり-nij-になったりするようです。ただ一般的な綴りは-naaj-なので以下これで統一します。

過去形同様に全ての形容詞、動詞、名詞の前に置くことができます。

inaaj m̧ōņōņō (i-naaj-m̧ōņōņō):「私は幸せになるだろう」
kwōnaaj m̧ōn̄ā (kwō-naaj-m̧ōn̄ā):「あなたは将来食べる」
enaaj rijikuuļ (e-naaj-rijikuuļ): 「彼は将来生徒になる」

人称・数 マーシャル語 日本語
1sg inaaj i+naaj 私は(将来)〜する
2sg kwōnaaj kwō+naaj あなたは(将来)〜する
3sg enaaj e+naaj 彼/彼女/それは(将来)〜する
1pl.incl jenaaj je+naaj 私たち(包含)は(将来)〜する
1pl.excl kōminaaj kōm+naaj 私たち(除外)は(将来)〜する
2pl kom̧inaaj kom̧+naaj あなたたちは(将来)〜する
3pl rōnaaj re+naaj 彼ら/彼女ら/それらは(将来)〜する

3人称複数のみ主格接辞が変化するので注意。

近接未来形

マーシャル語では未来とは別に近接未来を区別します。「ちょうど〜しようとしているところ」、「これから〜するところ」くらいの意味(なはず)。
近接未来には-itōn-を使います。また、動詞とだけ使えます。形容詞、名詞と一緒には使えません。

kwōtōn m̧ōn̄ā (kwō-tōn-m̧ōn̄ā):「あなたはこれから食べる」
jeitōn jerbal (je-itōn-jerbal):「私たち(包含)はこれから仕事をする」

人称・数 マーシャル語 日本語
1sg itōn i+itōn 私は(近い将来)〜する
2sg kwōtōn kwō+itōn あなたは(近い将来)〜する
3sg eitōn e+itōn 彼/彼女/それは(近い将来)〜する
1pl.incl jeitōn je+itōn 私たち(包含)は(近い将来)〜する
1pl.excl kōmitōn kōm+itōn 私たち(除外)は(近い将来)〜する
2pl kom̧itōn kom̧+itōn あなたたちは(近い将来)〜する
3pl reitōn re+itōn 彼ら/彼女ら/それらは(近い将来)〜する


よくわかりませんが一人称単数、二人称単数だけiが脱落します。

時制まとめ

現在、過去、未来、近接未来の人称変化の表です。

人称・数 現在形 過去形 過去形(東) 未来形 近接未来形
-j -ar -kar -naaj -tōn
1sg i- ij iaar ikar inaaj itōn
2sg kwō- kwōj kwaar kwōkar kwōnaaj kwōtōn
3sg e- ej eaar ekar enaaj eitōn
1pl.incl je- jej jaar jekar jenaaj jeitōn
1pl.excl kōm- kōmij kōmar kōmikar kōminaaj kōmitōn
2pl kom̧- kom̧ij kom̧ar kom̧ikar kom̧inaaj kom̧itōn
3pl re- rej raar rekar rōnaaj reitōn